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キリスト教終末の予感

「in deep」から抜粋転載。
なかなか面白い事件である。まあ、これで人死にでもあれば面白いなどとは言えないが、キリスト教そのものが世界的にオワコンなのかもしれない。
なお、キリスト教にはカトリック(私は「カソリック」と書くことが多いが、「catholic」の「tho」の発音は「ト」ではなく「ソ」に近いのではないか、と思うからだ。だが、もちろん、一般的には「カトリック」と言われている。)とプロテスタントの2大宗派があるが、簡単に言えばカトリックは「教会主義」で、プロテスタントは「聖書主義」と考えるのがいいのではないか。庶民のほとんどが文盲だった時代には、教会が聖書の知識を独占して、それを勝手に捻じ曲げた教義(「三位一体説」などはそれだろう。)を庶民に教えていたわけだ。グーテンベルクの印刷機の発明で聖書が普及すると、教会の教義への疑問が生まれ、聖書だけが本物のキリストの教えだ、という思想の人々が出てきてそれがプロテスタントとなったということだろう。
下の記事で、「教会は(教会が冒涜される)その理由がわからない」とあるが、私には、イスラム教への差別事件などから人々がイスラム教やその他の宗教について調べ、それとの比較で宗教そのものやキリスト教や教会という存在への疑問が生まれてきた結果ではないかと思う。(ネット時代の今だからこそ、疑問点や未知な事柄を簡単に調べられ、それが人類全体の知的レベルを高めている可能性がある。私自身、高校生のころより今の方が新しい事柄を知ることは多い。ゴーリキーを真似れば、本とネットが「私の大学」である。しかも、その「学習」は何の苦労も無いから、勉強という「勉め、強いる」ものではなく、むしろ娯楽である。)
なお、下の記事の中で

同組織の上級監督官は、ニューズウィークの取材に対し、これら一連の攻撃の動機は不明なことが多いが、一部、アナーキストやフェミニストグループによる反キリスト教的な暴力の問題と直面していると語る。

とあるのは、カトリックの「上級国民」たちの頭の悪さを示しているように思う。「フェミニズム」や「アナーキズム」を敵視するところが、まさに現体制から利益を得ている上級国民らしいところだ。特に、アナーキズムとは「無政府主義」であり、別にテロリストを意味していない。「政府が無くても、国民は自律的に幸福な社会を作れる」という思想である。教会への冒涜的行為とは何の関連性もない。

ついでに言っておくが、私はこの世界から宗教(あるいは神仏への信仰)が消えたらどうなるのか、危惧している。「神無き世界の道徳」を人類は打ち立てられるのか、という問題は、若いころからの私の思考課題(というか長年の宿題)なのである。




(以下引用)




CATHOLIC CHURCHES ARE BEING DESECRATED ACROSS FRANCE—AND OFFICIALS DON’T KNOW WHY
newsweek.com 2019/03/21


フランス全土でカトリック教会が冒瀆され続けている。しかし、教会側はその理由がわからない


フランスで、2019年の初めからカトリック教会に対する攻撃が急増している。



それらの行為の中には、放火と冒瀆(神聖なものを汚す)ことが含まれる。



破壊者たちは、教会の彫像を打ち砕き、礼拝所を打ち倒し、そして、聖体を巻き散らすか破壊し、十字架を破壊し、反カトリック的感情の高まりの懸念をフランス国内で引き起こしている。



3月17日の正午のミサの直後、歴史的な建造物であるパリのサン=シュルピス教会で火災が発生したと報じられた。負傷者はいなかったが、パリ警察は、消防隊員たちがこの火災が放火らによるものだと確信していることから、放火であるかどうかの調査をおこなっている。



サン=シュルピス教会は、17世紀に建てられ、ロマン派の画家ウジェーヌ・ドラクロワによる 3作品を収蔵しており、米映画「ダ・ヴィンチ・コード」の舞台として使用された。



2月には、フランス北西部のウイユにある聖ニコラス・カトリック教会で、聖母マリアの像が打ち壊されているのが発見された。



同じ 2月には、フランス中南部ラヴァールの聖ラヴァール大聖堂で祭壇の布が燃やされ、十字架と聖人たちの像が破壊された。この襲撃後、ヴァールの市長は、以下のような声明を出した。



「神はきっとお許し下さる」



続いて、フランス南部のスペイン国境近くのニームにあるノートルダム・デ・エンファン(「聖母の子」の意味)教会の祭壇が略奪され、教会の十字架に、人間の排泄物が塗られるという事態が起きた。



さらには、カトリック教徒たちがイエス・キリストの体であると信じている、教会にあるパンから作られた奉献物が教会の外にゴミのように捨てられていた。



この教会の司教は、声明で以下のように述べた。



「十字架のしるしと聖餐のパンが重大な冒瀆を受けました。この行為は私たちの教区社会に非常に大きな影響を与える出来事です」



「この行為は、深い信仰の中にある私たち全員を傷つけるものです」



フランスでは、2月だけで、カトリック教会やキリスト教と関係した宗教施設への攻撃が、47回記録されている。



また、ヨーロッパのカトリック教会への問題行動を統括している組織(Observatory of Intolerance and Discrimination Against Christians)によれば、2019年の最初の 2ヵ月間でのカトリック教会への攻撃は、昨年と比べて 25%増加しているという。



同組織の上級監督官は、ニューズウィークの取材に対し、これら一連の攻撃の動機は不明なことが多いが、一部、アナーキストやフェミニストグループによる反キリスト教的な暴力の問題と直面していると語る。



上級監督官は、以下のように言う。



「教会あるいは、教会の象徴に対してフランス国内で敵意が高まっているように感じています。そして、教会への反感は、キリスト教そのものへの反感より強いようなのです」



「今起きている一連の攻撃は、教区とカトリック教徒たちにとって本当に神聖な象徴に対して行われています。奉献された聖餐のパンへの冒涜はカトリックとキリスト教に対する非常に個人的な攻撃であり、これは、教会の外壁にスローガンをスプレーで落書きするよりも重大な攻撃なのです」



フランスは長く世俗主義の伝統を持っていたが、フランスは文化的にキリスト教の国であると見られてきたので、宗教の象徴としての教会への攻撃は、権威と愛国心への攻撃でもあると監督官は言う。



2月9日には、ブルゴーニュ地方のディジョンにあるノートルダム教会の祭壇が破壊された。ここでも、聖体拝領のパンが、地面にばら撒かれた。



フランスのエドゥアール・フィリップ首相は、2月にフランスの教会指導者たちに会い、声明の中で次のように述べた。



「このような破壊と冒瀆行為は私に衝撃を与えている。これは満場一致で非難されなければならない」

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