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上と下

石坂洋二郎に「陽の当たる坂道」という名作小説があって、若き日の石原裕次郎主演で映画化もされ、それも名作なのだが、まあ、「エデンの東」の日本版みたいなもので、そこに日本の戦後民主主義の息吹が爽やかに吹き通る感じである。芦川いずみが可愛かったが、主役(というより描写の視点役)の女優は覚えていないwww 北原三枝だっただろうか。まあ、昔の役者の名前もあいまいにしか覚えていない。
というのは前置きで、この「陽の当たる坂道」という題名を考察したいわけだ。
どこで読んだのか、聞いたのか覚えていないが、「高級住宅地には坂道が多い」という説があり、たとえば昔なら田園調布などがそれだったわけだ。なんで、歩くのに苦労する坂道に高級住宅地ができるのかと言うと、実はそれは「洪水対策」だったのではないか、というのを今回の武蔵小杉のタワマン騒動で思いついたわけである。
坂道なら、その坂の上は高地である。洪水でも水が来ない。そこを一番重視して、高級住宅が建てられたのではないか、というわけだ。(「~ワケ」の連発で申し訳ない。)
黒澤明の「天国と地獄」でも、児童誘拐の被害者となる金持ちは丘の上に住み、加害者、つまり誘拐の主犯の貧しい青年は低地のスラム街めいた地域に住む。丘の上が「天国」で、低地が「地獄」であるわけだ。ところが、タワーマンションだと同じ建物の中に天国と地獄があるから、その対立が目立ったのだろう。




(以下「ネットゲリラ」から引用)赤字は夢人による。


前科のある土地

| コメント(12)

今回の19号台風水害なんだが、どこも「前科のある土地」なんですね。大雨の都度、水害が発生するとか、そこまで行かなくても数十年前に堤防が決壊した、とか。そういう土地は、そこで生計を営む農家以外の家は建てるべきではない。武蔵小杉もそれで、そもそも洪水があったら浸かる土地なんです。だから、近代に至っても住宅街は作られなかった。そんな土地に無秩序に高層住宅を乱立させたら、まぁ、こうなる事は明白です。自民党がCIAに乗っ取られて、歯止めが効かなくなった銭儲けで、今だけカネだけ自分だけ、タワマン売ったら、後はどうなろうが、知ったこっちゃないという新自由主義で、このザマだ。



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女賊の金銭哲学

中国古典の「児女英雄伝」は、武田泰淳の「十三妹」の元ネタのひとつだが、主人公であるヒロインが悪党どもを、虫でも殺すように気軽に殺す描写が楽しい小説である。まあ、「キックアス」のあれみたいなものだ。
そのヒロイン、女盗賊である玉鳳の金銭哲学が、私のそれに近いので引用しておく。

なぜ金(カネ)が製造されるかと言えば、流通させるためである。つまり、「金は天下の回りもの」とはそういう意味だし、流通せず、退蔵されているカネは不要なカネであるわけだ。しかも、それが製造された時には実はその正当な所有者は存在しない。別に総理大臣や大蔵大臣に所有権があるわけではない。(銀行が信用創造で作り出すカネは現物すら存在しない。)正当な所有者が存在するとしたら、国民全員なのである。

なお、「女賊の哲学」は、武田泰淳が、客観的視点で描いた自作の「十三妹」を、反対側、つまり女賊の視点を中心に描いたもので、ふたつを合わせて読むと強烈な読後感がある。

(以下引用)


「たとえば、あなたのお金。これは家屋敷を担保にいれてお父上を救け、お上に納めようというのだから『持ち主のあるお金』よ。それから清廉潔白なお役人が、真面目にお役目にはげみ、つましくして残したお金とか、商人がコマネズミのように働いて残したお金、お百姓さんが汗水たらして残した財産、これもみんな『持ち主のあるお金』。
このほかの、例の悪徳役人が恥も外聞もなく人民の膏血をしぼって懐をこやした何万という金、またその手下の顧問とか雇い人たちが、主人がお上の金をくすねれば、自分も負けずに主人の金をくすね、そのあげく主人にまずいことでもあれば、腰にくくりつけてドロンするという、そんな金、それとも、ごろつきどもが役所と手を組んで罪もない人民からまきあげ、金の力で悪事のかぎりをつくす、そんな金、こんな金をみんな『持ち主のないお金』というのよ。
こんなお金を、あたしはいくらかずつ用立ててもらうことにしているのよ。相手が進んで出そうが出すまいがね。まあ、いってみれば、女強盗といったところかしらね」

「だいたいお金は天下の回りもの、運のあるものが神さまにかわって使っているだけなんだから、やれ人のものだ、やれ自分のものだと言ったところで、結局は誰のものでもなく、いま現にそれを本当に必要としている者が生かして使えばそれでいいのよ。生かして使いさえすれば、一万両だろうと無駄にはならないし、それが死に金だったら、一文だってやっぱし無駄づかいということ」




















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地名という文化を売りに出す恥知らずたち

「材木座海岸」や「由比ガ浜海岸」や「腰越海岸」が「ユニクロ海岸」や「ソフトバンク海岸」にならなくて良かったね。鎌倉の人たち。未来永劫の恥さらしにならずに済んだ。



さんがリツイート

財政難だからと単なる地名の枠を越えて文化の一部である3海岸の命名権を売り出してしまった鎌倉市
それに対して命名権を買いそのまま「材木座海岸」「由比ガ浜海岸」「腰越海岸」と命名した鳩サブレーの豊島屋さんの心意気は本当に素晴らしいので、鎌倉に行った人はぜひ鳩サブレーを買って帰って欲しい









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台風の傾向の変化


洪水というのは、豪雨が降り始めてから堤防を越水するまでに時間差があるのが普通だろうから、家屋の被害は大きくても人死にが出るというのは少ないという性質の自然災害だと思うが、今回の台風は死者が多いように感じる。それだけ、普段は洪水が起こらない場所だったり、短時間で異常な量の雨が降ったということだろう。
東京都は今回は「ぎりぎりで」助かったようだが、いつもいつも僥倖を当てにしているべきではない。(八ッ場ダム云々が、ネトウヨの流しているデマであることは前に書いたと思うが、台風が来る前から試験のためにほぼ満水にしていたらしく、台風による雨水をそのダムが吸収したわけではない、ということのようだ。)
最近は関東直撃の台風が続いているので、台風自体の傾向も変わっているのではないか。ただし、それは地球温暖化などとは無関係だろう。地球の回転軸がほんの1度傾いただけでも地球全体の気候は変わるはずである。なぜそういう、別の可能性を考えないのか。まあ、それでは温暖化詐欺が成立せず、世界の原子力村が困るからだろう、という推測はしているが。






雨が降る中、まだ濁った水が流れる川に入り行方不明者の捜索を行う自衛隊員(14日午後2時57分、福島県郡山市で)=上甲鉄撮影 © 読売新聞 雨が降る中、まだ濁った水が流れる川に入り行方不明者の捜索を行う自衛隊員(14日午後2時57分、福島県郡山市で)=上甲鉄撮影

 台風19号による大雨で河川が氾濫した福島県では13日から14日午前にかけて、須賀川市と郡山市、本宮市、飯舘村で計11人の遺体が新たに見つかった。同県の死者は計16人となった。


 須賀川市館取町では14日午前、水没したアパートを訪れた民生委員の女性から「アパート2か所で住人が亡くなっている」と119番があった。救急隊員が駆けつけたところ、いずれも70歳代後半の男女2人が死亡していた。


 郡山市田村町谷田川では13日午後、黒石川の道路脇で消防隊員が10歳未満の男児の遺体を見つけた。14日午前には、さらに下流約4キロで30歳代女性の遺体を郡山署員が発見。親子の可能性があり、他に女性の10歳代の子供が行方不明になっているという。また同日朝には、同市水門町の浸水したアパート玄関前で、70歳代男性が死亡しているのを近所の住民が見つけた。


 本宮市中心部では13日午前から14日午前にかけて、浸水した民家やアパート計5軒で男女5人が見つかり、死亡が確認された。


 飯舘村では14日午前、13日朝から行方不明になっていた同県川俣町の男性(75)とみられる遺体が見つかった。男性は新聞配達業務のため、沿岸部の同県南相馬市に乗用車で向かう途中だった。
















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「東京ブラックホール」再放送予定

NHKスペシャルの「東京ブラックホール」は、あちこちで高く評価されているが、私はテレビを見ることがほとんど無いので、この放送の存在を知らなかった。幸い、再放送があるらしいので、メモ兼拡散しておく。


  1. さんがリツイート

    再放送は
    10月15日(火)24時35分から


  2. さんがリツイート

    いだてんで「次回ついに最終章!東京五輪!」と予告した直後に、Nスペの「東京ブラックホール」で容赦なく1960年代東京の暗黒面を描き出すNHKは恐ろしい。









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言葉と口調

まあ、どんな言葉でも口調で悪口だと認識されることはあるわけで、「この聖人め、この人格者め」と言っても悪口にはなるwww だが、猫じゃらしやどんぐりころころは可愛い。





さんがリツイート

機嫌が悪い5歳が私に言う悪口。

「おかあさんのねこじゃらし!!  この  どんぐりころころめ!!」

すごい。一切イラつかない。











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Towering inferno

武蔵小杉の「聳え立つ地獄」だが、「ネットゲリラ」読者コメントによると、かなり高級マンションだったらしい。まさに上級国民用マンションだろうと思うのだが、それがウンコで滅びるとはwww いや、そこでも格差はあって、上層階の連中が「ウンコ禁止令」を無視して落としたそれが下層階で溢れるということであるようだ。
別コメントにあったが、「アベノミクストリクルダウン効果」というのも面白い。最後が「ウンコ・降下」を含んでいる。
復旧までかなり時間がかかるらしいが、一か月くらいウンコを我慢したらどうなるのか。女性の中には便秘症の人が多いと聞くが、未熟な私など三日四日で五臓六腑が悲鳴をあげ七転八倒だろう。


(以下引用)



ここ、知り合いのマンションでワロタwww
武蔵小杉のタワマンあまたあれど屋上解放してるのは少ないのですよね。
屋上いけるというだけで他のタワマンの住人が嫉妬するほどらしい。
知り合いが長年の不動産業のお勤めで見極めた自慢の終の棲家、屋上夜景、バー、ゲストルームと共用がかなり素敵に充実しており、値下がり無しと豪語していたのにまさかこんなことになるとは。(もちろん本人にはこわくて聞けない)



(夢人追記)どういう事情の話か分からん、という人のために別記事を補足しておく。なお、一階の惨状は、ツィッター写真もあるが、自粛しておく。



武蔵小杉「50年安心」タワーマンションが台風被災で『うんこ禁止令』の衝撃(訂正とお詫びあり)


(写真:アフロ)



 大型台風などの災害と都市生活で話題になるのが、湾岸地域や川沿いなどでの浸水被害で停電などライフラインが途絶して「都市で難民化」することの恐怖であります。大規模なタワーマンションが林立している武蔵小杉周辺(川崎市)では、三井不動産のパークシティで下水処理設備がやられた結果、住民に対して各住居でのトイレの使用を禁止し、各階のゴミステーションに設置した簡易トイレを使うよう通達が出たと騒ぎになっています。


武蔵小杉の50年安心タワーでウンコ禁止令(5ちゃんねる 19/10/13)


 三井不動産に問い合わせをしたところ「現在、状況を確認しているが、念のための措置として」との回答でしたが、一部の高層マンションでは電源設備が断続的に喪失してエレベーターが稼働不能になり、高層階に住む高齢者との連絡が途絶えるなどの都市生活者ならではの被災問題が出てきております。具体的にエレベーターが何時間か使えないというだけで生活に支障が出てしまうタワーマンションの場合、予備電源や緊急利用可能なエレベーターを備えている施設もあるとのことですが、トイレやエレベーターに不具合を抱えている一部の高層マンションでは「日常的にお使いいただけるようになるまで、残念ながら一週間以上の補修期間が必要になりそうです」(施設管理者)とのことで、これが事実であるならば、思った以上にタワマン生活は被災と隣り合わせであることが分かります。


急増タワマン、都市防災の死角に(日本経済新聞 19/9/2)


 実際、日経新聞社が取りまとめた「タワマン防災」に関するサイトでは、文字通りトイレなきマンションの問題について論じており、皆さまのご一読を推奨したいと思います。一般的に、日常の防災準備では乾電池や水・食料、懐中電灯などの準備はしていても、まさかし尿を含めた汚物対策などしているわけもなく、簡易トイレやベランダなどが大変なことになりかねません。


 台風一過で快晴とはいかないような、流せない話になってきて困ったものです。


(訂正とお詫び 22:17)


 ご指摘があり、記事で掲載していた施設のサイトは、状況のあったマンションとは同系列の異なる施設のものでした。謹んでお詫びし、訂正させていただきます。










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酔生夢人
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男性
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仙人
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考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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