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「想い出のサンフランシスコ」

今朝の起き抜けにトイレに行った時から、なぜか「想い出のサンフランシスコ」の唄が頭の中に流れていたので、それを漠然とした記憶で書いてみる。毎度言うが、私は英語が苦手であり、日本の唄でさえ歌詞を覚えている唄はほとんど無いほど記憶力も無い。下の英語の綴りは間違いだらけだろう。ただ、中学時代に覚えた英語歌詞をどの程度記憶しているかという実験である。まあ、古い名曲というものは歌詞と曲が見事に一体化しているので記憶に残りやすいとは言えるかと思う。
*fogを複数形でfogsにしたのなど、非常に怪しいが、なぜかそう覚えているのでそのまま書く。
*「サンフランシスコ」の綴りも怪しい。おそらく「聖フランシスコ」という人名から来た都市名だと思うので「サン」は「saint」の短縮形ではないかという気もするが、そのままにする。


I left my heart in San Fransisco
high on a hill it calls to me
to be where little cable car
climb half way to the stars
the morning fogs may chill the air 

I don't care
my love wait there
in San Fransisco
above the green and windy sea

When I come home to you San Fransisco
your golden sun will shine for me


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「憎む」と「悪む」

トイレで「論語」を読んでいると、こういう一節があった。

子曰、惟仁者、能好人、能悪人。

読みは、「ただ仁者のみ、よく人を好み、よく人を悪(にく)む」
だが、「能(よ)く」は可能を意味する。そして「悪人」を「あくにん」と読むべきではないのはもちろんだが、「悪」を「にくむ」と読むことは知らない人が多いだろう。
多くの人は「にくむ」の漢字は「憎む」でしか知らないと思う。
では「悪む」と「憎む」の違いは何か。

漢和辞書によると、「悪」は上の「亜」の字が「みにくいこと」を意味し、「(ある対象を)心に醜く思うこと」となる。
それに対して、「憎む」の「憎」は旁(つくり)の「曽」が「増加」の「増す」と同じく「積み重なる」意味で、心に積み重なった感情の意味の「憎しみ」を表すようだ。
つまり、「善悪」の「悪」の意味は何かと言うと、我々が「心に醜く思う対象」を意味すると言える。すなわち、「倫理」とはもともとは美意識だったわけだ。そしてまた「憎悪」は本来は「醜く思うものを憎む」意味だったのが、特に相手や対象に憎悪される原因(広い意味の醜さ)が無くても、理不尽に憎悪することも含まれるようになったかと思う。
たとえば、相手に美点があって自分より上だと感じる時、我々は劣等感からその相手を憎むこともあるわけだ。またその嫉妬心を賞賛の言葉に変えて「憎いねえ」という言葉で褒めることもある。

まあ、「論語」の各章(節)はトイレで読めば1分もかからないが、娯楽としての考察のネタにはなる。
なお、宮崎市定はこの一節を「好むべき人を好み、憎むべき人を憎むことができたなら、それは最高の人格者だと言える」と訳している。もちろん、冒頭の「子曰く」は「孔子がおっしゃるには」の意味であり、「好むべき」や「憎むべき」の「べき」は宮崎市定の解釈である。「仁者」を「最高の人格者」としたのは、解釈としては微妙かと思う。確かに「仁」は儒教の最高の道徳ではある。「衆愛」とでも訳すべきだろうか。
「論語」の次の一節では「いやしくも仁に志さば、悪むなきなり」とあるので、前節の「好むべき人」とか「憎むべき人」に分かれるというのは、やや問題のある解釈ではないか、と私は思うわけだ。では、この矛盾をどうするかは、私は知らない。
まあ、「儒教の初学者は安易に人を好んだり憎んだりしてはならない。的確にそれが判断できるのは至道の人(仁者)だけだ」と解釈するべきか。ただ、それを「最高の人格者」と表現するのがいいかどうかだ。私は儒学の目標は「社会の品位と幸福の向上に有為な人」を作ることだと思っており、「単なる人格者=有為な人」とは思っていないのである。

(追記)宮崎市定は東洋史学者であって漢文の専門家ではないのに、やたら自信家で、異説を立てたがるので、その訳した「論語」には変な訳が多い。その最たるものが

「子曰く、賢を見ては斉(ひと)しからんことを思い、不賢を見ては内に自ら省みるなり」

を「子曰く、えらい人間を見たなら、付きあって見習うがよい。悪いやつを見た時は、わがふりを正せ。」と訳した例である。赤字にした部分が、好き勝手な訳だというのは明瞭だろう。「わがふりを正せ」も微妙な訳だ。
まあ、宮崎訳の岩波書店「論語」は視覚的に見やすいところだけが取り柄だ。

ただし、東洋史学者としての宮崎には、一度感心したことがある。それは、なぜ元が東アジアをほぼ統一し、西洋まで攻め入ることができたかの理由だ。それは、戦って征服した国の兵士を次の戦いの先頭に使ったので、本来の戦力を常に保持できたからという、見事な発想である。先頭部隊は常に後ろから監視されているので、死力を尽くして戦うわけである。本部隊が「督戦隊」でもあったわけだ。


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「持ってて使わずマイナカード」

私は一応作ったが、一度も使ったことはない。病院でも特にマイナカードにしろと言われたことはない。身分証明なら運転免許証で十分だろう。作ったのは「いざという時に、急に作ることが厄介だろうから」にすぎない。

(以下引用)

【悲報】警察「マイナンバーカードで本人確認は禁止とする」



1: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:03:12.42 ID:oR/b2ALL0
マイナンバーカード画像送信で本人確認 再来年廃止へ 警察庁
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250227/k10014734721000.html

2: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:03:33.21 ID:oR/b2ALL0
なんのためにマイナンバーカード作ったんだよ…

 

3: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:04:56.03 ID:8sR9ZjWg0
>>2
情報漏洩の責任をカード所有者に擦り付けるためや

 

9: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:06:17.48 ID:lNBzaGae0
>>2
写真撮って身分証明した気になるためじゃないことはさすがにわかってるよね?

 

4: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:05:28.48 ID:rF9WP/YE0
当然では

 

6: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:05:31.67 ID:l9fHQQnt0
IC読み取りあるだけ免許証よりマシ

 

7: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:06:05.76 ID:BW2N8Ym10
免許も禁止ならしゃーないとしか

 

8: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:06:16.28 ID:qhoSYIt70
なんのためのマイナンバーなのかわからんくなってそう

 

12: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:06:29.77 ID:HzXwY82Z0
3/24に返納するわ
どうなるか逆に楽しみ

 

14: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:07:06.73 ID:HV6iLyma0
画像送信とかなんでもできるからそりゃそうやろ

 

18: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:07:55.78 ID:fdIuU8Ma0
免許証の写真送れってやつ怖くてやったことなかったけどやっぱ危険なんだな

 

20: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:08:24.78 ID:+rl7NB150
むしろマイナンバーカードが必須になるって話だろ

 

22: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:08:41.37 ID:eB8Q0QiW0
まあ画像送って本人です!はアカンやろ

 

23: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:08:42.26 ID:ODRps4tN0
終わりすぎだろこの国
やってることめちゃくちゃやん

 

30: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:10:18.09 ID:WH7+l5DQ0
やっぱりちょっとカード作るの怖いなーー!!(ジョックロックのヒゲ)

 

33: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:12:33.89 ID:DLS8R9480

免許証もマイナカードも非対面でコピーや画像送るのは本人確認にならん


って事やろ?
免許証もマイナも対面でIC読み込めばええ


 

35: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:14:16.90 ID:w1Mly3E30
バカみたいなカードだな
遊戯王カードのほうが遊べるだけましだ

 

39: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:15:46.24 ID:mPHzCJgR0
なんのためのマイナンバーだよ
いくらなんでも終わりすぎだろこの国は

 

43: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:18:01.83 ID:7mj+flVN0
これはええことやろ目視とかガバガバすぎた

 

46: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:19:54.06 ID:e/z/r6vp0
IC読み取りのパスワード間違えてロックされっぱや

 

47: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:20:42.68 ID:qbNgYGK/0
な?だから作る意味ないって言ったやん

 

50: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:21:33.28 ID:+P8N7QGG0
時代に逆行しすぎやろ
その内対面じゃないと駄目になりそう

 

52: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:21:35.89 ID:4SZ5embG0
河野太郎さあ

 

53: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:22:38.13 ID:2ehRDa8v0
そりゃマイナンバーカード返却されまくるわけだわ

 

55: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:23:11.57 ID:3rsUWYy+0
するってえとこのカードは一体なんのために存在することに?

 

57: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:23:27.58 ID:CCeo5u8t0
メルカリとかできなくなるんか?

 

58: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:24:04.02 ID:OxDgWWWp0
スマホでIC読み取りはOKなんやな

 

61: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:24:38.33 ID:CSmyoirq0
タイミーのような怪しいバイトアプリとかで身分証の画像送れってところは皆潰れるんだろうな

 

68: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:27:16.32 ID:fE9JAehL0
記事も読まないアホばっかりで草
ICをスマホ読み取りかカードリーダー使えって話やろ

 

69: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:27:18.12 ID:qhoSYIt70
IC読み取れいうけどその読み取りはどこでやるんや?

 

72: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:28:14.63 ID:V7j0cptqH
>>69
カードにスマホかざすだけです…

 

73: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:28:34.35 ID:CCeo5u8t0
>>69
スマホあるやん

 

70: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:27:25.95 ID:S75HDb7D0
おもしろ国家

 

86: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:31:46.49 ID:bXXBR1TqH
ワイみたいなIC読み取り機能ないスマホ使ってる人はどうすればええんや?
そういうとこちゃんと考えろや

 

91: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:33:19.31 ID:8eyi3VyC0
ICカードの読み取り機とか1000円くらいで売ってるやろ

 

95: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:33:50.06 ID:nq9L1ONE0
マイナカードって使ったことないわマジで

 

97: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:34:27.14 ID:EoJR5u390
会社とかで「コピーとってきて」がなくなるんか

 

101: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:36:04.87 ID:CCeo5u8t0
あと2年でアプリ側対応出来るんかな

 

104: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:36:55.24 ID:0W510Tap0
むしろこれマイナンバーカード以外あかんくなるやろ
マイナは他と違ってICチップで認証できるし

 

105: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:37:06.70 ID:jFVTakmH0
ああICチップ認証になるだけか

 

106: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:37:18.23 ID:bXXBR1TqH
これ汚い金の臭いがぷんぷんするな

 

114: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:46:17.92 ID:v9jvGqXt0
住所不定なら逮捕しやすいからってそれはアカンやろ

 

115: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:46:19.15 ID:50Xpwqqz0
そりゃあ画像だけ撮ったらなりすまし出来るわな
ICチップ使うんなら別にええやん

 

118: 名無しさん 2025/02/27(木) 20:48:39.62 ID:mEzdPMRv0
顔認証のセキュリティが完全に突破されたからもう無理やで
導入前からゴミだって言われてたのに

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「革命者キリスト」概説

前書き後書きを除けば全12回の論文で、その第一回だけ載せる。全体は「徽宗皇帝のブログ」に載せてあるが、検索がしにくくなっているようだ。しかし、ここに載せる部分だけでその大要は分かるだろうし、それで十分である。

(以下自己引用)
革命者キリスト
イエスと「キリスト教」(キリスト教の政治的歴史)


概説

最初に中心思想を述べておく。
イエス・キリストと呼ばれた男、ナザレのイエスは、ユダヤ教を改革しようとして当時のユダヤ教指導者たちの手で始末された男である。その思想は当時の厳格な儀式典礼主義のユダヤ教を批判し、より精神的なものにしようとするものであった。
キリストは神の子ではなく、その死後に布教のために神格化された人物である。教会によってキリストの教えも変質した。その過程がここで論ずる事柄の中心であるが、それにはユダヤ教との関連、そしてローマ帝国との関連が重要である。
現在の「キリスト教」の土台は、キリストの死後100年の間に、その教えを元にして形成された。新約聖書の中にある四福音書の中の、キリストの言葉そのものが、純粋なキリストの教えであり、それ以外の記述、たとえば様々な「奇跡」は、キリストの神格化のために、記述者が付加したものである。たとえばキリストの「死後の復活」も伝道のための作り話である。そうした不合理性を除去した後に残るものが真に重要な「キリストの教え」である。(ドイツのブルトマンの「聖書の非神話化」の主張も同じ趣旨だろう。)
キリスト教はさらに「キリスト教(あるいはユダヤ教)」という一神教をローマ帝国の国教に採用しようと考えたローマの手によって変質させられた。つまり、現在の「キリスト教」は、「ローマ化したキリスト教」であり、その土台を作ったのはパウロである。パウロは熱心なユダヤ教徒であり、最初はキリスト教徒を迫害していたが、ローマからの指令によって(?)「新キリスト教」オルグ活動家となった人物である。この人物とローマ帝国の力によってキリスト教の世界宗教への道が開かれた。ローマがユダヤ教ではなくキリスト教を選んだのは、民族宗教色が強すぎるユダヤ教よりも、精神性や内面性を重視するキリスト教のほうが、ローマ人も含めて他民族を折伏し、吸収するのに向いていたからである。大事なのは、「一神教」の持つ「絶対性」であった。あるいはマルクス用語で言う「歴史的必然」と言ってもいい。つまり、「最初から正義はこちらにあり、勝利は約束されている」とする思想だ。なぜなら、他の宗教の神々が「世界内存在」であるのに、一神教は世界そのものを作った神であるから正義と勝利は保証され約束されているのである。(そうした超越神、創造主という存在と、この世の悪の存在の矛盾は、とりあえず無視すれば良い。)
キリスト教がローマ・キリスト教(国教化以前のこの段階ではローマンカソリックとはまだ言わないほうがいい。)となった頃に、キリストの教えがアレンジされ、福音書も作られた。ローマ教会によってそれまでのキリスト伝承が整理され、正典(カノン)と外典が区別された。本来のキリストの教えが正典と外典のどちらにあるかはわからないが、外典を一般大衆が目にする機会はほとんど失われ、「キリスト教」批判の契機も失われた。
ローマ・キリスト教がローマンカソリックとなっていく過程で、さらにユダヤ教への退化が生じ、現在の「キリスト教」に近づいていった。さらに、様々な教父たちによってキリストの母の神格化や三位一体説、原罪説などが加わり、ローマンカソリックという異様な「キリスト教」が出来上がった。その異様さは、かつてイエス・キリストが憎んだ「因習的ユダヤ教」とそっくりである。その因習的な部分とローマンカソリックの腐敗した上層部への反撥が宗教改革を生んだ。しかし、その新教もまた「聖書」に依拠する限りは、キリスト本来の教えと一致することはありえなかった。キリストの教えを純粋化するには、聖書中のキリストの発言のみを抽出する必要があったのである。もちろん、それすらも記述者によって歪められたものではあるが、それでもその教えの革命性は明らかである。
結論的に言えば、世間で言う「キリスト教」は、「キリストの教え」では無い、ということだ。キリスト本来の教えは、共産主義に近いほどに、この世の富と栄華を否定する思想であるから、資本主義社会とは両立できない思想である。その資本主義の牙城のアメリカが「キリスト教」国家であるなら、それは「キリストの教え」とは別のキリスト教でしかない。同様に、「汝の敵を愛せよ」「右の頬を打たれたら左の頬をさし出せ」という、許しと寛容の教えがあの残虐な十字軍と両立するはずはない。そこには、ユダヤ教独特のダブルスタンダードの思想、つまり、「自分の民族に対しては倫理を守れ、だが、異民族に対してはあらゆる悪が許される」という選民思想がある。ユダヤ民族を白人種に変えれば、これが西欧国家や西欧人種の気風でもあることは、近世近代現代の歴史に明らかである。
「キリスト教」は、西欧人の考えの土台である。したがって、その思想がキリスト本来の思想といかに異なるものであるかを西欧人たちが知れば、(つまり、自分たちがキリスト教だと信じていたのは実は変装したユダヤ教であることを知れば、)彼らが自らを反省し、あるいは西欧の貪欲によって破滅しかかっているこの世界が救済される可能性への道が開かれるかもしれない。そのためにも、この論が書かれる必要性があると私は信じる。

あらかじめ言っておくが、この論への批判は、その本質的部分への批判のみに願いたい。つまり、現在の「キリスト教」は、はたして聖書の中のキリストの言葉と一致しているかどうかということだ。その点での反論はおそらく不可能だろう。現在の「キリスト教」社会ほど非キリスト教的な社会も存在しないだろうからだ。それ以外の部分は、遥かな過去の時代についての推測にしかすぎない。歴史そのものが、勝者の歴史でしかない以上、後世の人間にできることは、歴史的記述について合理的判断を心がけることだけだ。もともといい加減なものでしかない歴史的記述や資料の細部の取り扱いにいちいち文句をつけられるのは御免である。

                         2008年11月23日記

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一神教の本質

知人から貰った本の中に小谷野敦(「あつし」とも「とん」とも読ませているようだ)の新書がいくつかあって、どれもなかなか面白いので、今、最後の「日本人のための世界史入門」を序論だけ読んだところだ。
彼は論争的(カタカナ語があるが、失念)な精神的体質の人間で、やたらに他人というか他論者を批判し食ってかかっているが、だいたいにおいて他者(他論者)を非論理的だと思っているらしい。特に、途中で持論を適当に変えている人間や、その議論の中の矛盾には我慢がならないようで、私から見ればゴリゴリのリゴリズム(rigorism:厳格主義)人間だが、その自分の論説自体、途中で内容がズレたりしているようだ。まあ、論理への過信だろう。そもそも人文系の議論に論理がどれほど有効か、分かったものではない。一部では通用しても、その一部以外には通用しない論である場合も多いだろうが、それを「論理的一貫性がない」と批判するのは、攻撃自体が愚かなのではないか。世のあらゆる事象は多岐に渡っており、それぞれの境界も曖昧なのである。
だが、小谷野の書く文章は面白いし痛快だから読む価値はある。しかし、その主張をすべて信じるのはお勧めしない。まあ、7割か8割くらいは妥当、という感じか。その主張自体、それほど意義があるようにも見えない。わりとマスコミ論者同志や人文系学問内部の問題なのである。やや右派的思想が感じられるが、「軽評論」と言うべきだろう。根が正直に思えるので、意図的に世間を騙す意図は無いと思う。
要は、「高校教科書や大学教養課程レベルの知識も無い人間が多すぎる」ということへの苛立ちが、彼の論争的体質の中心なのだろう。まあ、それでいくつも本を出せたのだから結構なことではないか。

さて、本題に入る。前書きに小谷野のことを書いたのは、彼が「民主主義」に否定的で、また「民衆史観」にも否定的なようなので、「民主主義」と「民衆をどう見るか」の問題を論じ、ひいては政治体制としての民主主義の是非を考えてみようか、ということだ。

と思ったが、先ほど、「日本人のための世界史」を読み進めて、もっと興味深い問題に出会ったので、そちらを紹介する。この引用だけでもかなり物議をかもしそうな文章である。論争屋小谷野の面目躍如だ。これ(下記引用内容)を言った人を私はほかに知らない。だが、同じ思想を持つユダヤ教については東海アマ氏が何度も書いていて、それは何も「タルムード」を読まなくても、「旧約聖書」を読めば、その思想は明白なのだから、この思想は一神教の本質だと私は思っている。その中でキリスト教だけが異質と言えば異質なのである。だからキリストは十字架で処刑されたのだ。
さてその思想とは何か。前掲の書から引用する。


「『クルアーン』を読んで驚くのは、それが『旧約聖書』とほとんど内容が同じということで、(中略)だからイスラム教は、本来キリスト教徒とユダヤ教徒は『啓典の民』として特別扱いし、言葉をもってイスラム教に改宗するよう説得すべきだとしているが、それ以外の民、つまり仏教徒(無神論)などは、問答無用で殺していいことになっている。


これは大問題の発言で、私は「クルアーン(コーラン)」を読んだことは無いので、この言葉が事実かどうかは分からない。しかし、イスラエルという国の軍隊やイスラム系テロリストの強さや残忍さ、あるいは殺しても死なないようなしぶとさ、執念深さの根底には、この思想があるのではないか、と思われる。日本で言えば信仰をバックボーンとした一向一揆のようなものだ。「厭離穢土欣求浄土」の思想が、戦国最強の織田信長の軍隊をもっとも悩ませたのである。

ちなみに、この文章を読む前に、私は娯楽記事中心の別ブログでこんなことを書いている。

(以下自己引用)注記すれば、キリスト教は「汝の敵を愛せよ」(あるいは「良きサマリア人」のエピソード)に見られるように革命的一神教であるので、ユダヤ教やイスラム教と同列ではないが、そのキリスト教国家が異民族を虐殺し、奴隷化したのは言うまでもない。つまり、キリスト教は彼らに根付いていないのである。これを「偽善的キリスト教」とでも言っておく。「偽キリスト教」でもいい。キリスト教の変質については詳しくは「革命者キリスト」参照。


前に「詩情と笑い」という一文で「ナルニア国ものがたり」をつまらないと批判したが、その理由を作者が詩人でありユーモアが欠如しているから、とした。その部分を後で自己引用するが、その前に、少し考えが深化した気がするので、それを先に書く。それは「一神教には反戦思想は無い」というものだ。
これは当たり前の話で、一神教というのは、その神を信じている者は善、信じない者は悪であるという思想であり、つまり、その神を信じない相手がどういう国や民族であろうと、それは悪なのであり、戦争して国土を奪ってもいいし、その国民を皆殺しにしても奴隷にしてもいい、となる。つまり「帝国主義は一神教文化圏の必然」なのである。




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詐欺社会で美味い目を見るのは詐欺師だけ

いかにして楽に高い評価を得るか、というのは学生にとって当然の話なのだから、生成AIが一般に使用されたらそれを宿題や課題、論文作成に使うようになるのは理の当然である。とすると、「それを評価するのはほとんど無意味」となる。つまり、パソコンやスマホを使えない状態での試験しか学生評価の方法は無くなる。それすらいずれ突破されるのではないか。
まあ、AIで代用できる仕事もいずれAI化が進むだろう。単なる学校秀才は無意味化する分野が多いわけだ。事務作業、知識集約的作業、具体的には医者や弁護士、裁判官、中級官僚などがそれだ。ある意味、健全な進化かもしれない。国民の半分は第一次産業、残りは建設作業員や警官や自衛隊員、看護関係、コンピューターオペレーターになるのではないか。そして金融資本主義(不換紙幣資本主義)が続くなら、相変わらず、(自分では労働はせず)カネでカネを生む金融業者が上級国民になるだろう。社会の1%が富のほとんどを握ることになる。

苫米地英人曰く「カネを無限に刷ってよいと認めてしまった金融資本主義は、本質的には詐欺以外の何物でもない」(「テレビは見てはいけない」より)

(参考までに、記事タイトルのみ転載)

中学生ら3人逮捕 生成AIを使用 「楽天モバイル」不正アクセスか


(以下引用)

大学生の「ほぼ全員」が生成AIを使っているとの調査結果で教育界に激震が走る

イギリスのシンクタンクである高等教育政策研究所(HEPI)が2025年2月26日に、イギリスの学部生の10人中9人以上が何らかの形でAIを使用しており、3分の2だった前回の調査から大幅に増加したとのレポートを発表しました。専門家は、学生の行動様式がこれほど急激な変化を見せたのは前代未聞だとしています。


Student Generative AI Survey 2025 - HEPI


https://www.hepi.ac.uk/2025/02/26/student-generative-ai-survey-2025/


Surge in UK university students using AI to complete work

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https://www.ft.com/content/d591fb1a-9f6c-4345-b5fc-781e091ae3f8


HEPIは2025年2月26日に発表した「Student Generative AI Survey 2025」で、2024年2月の前回調査に応じた全日制の学部生1041人を対象に、市場調査コンサルタント会社・Savantaを通じて、生成型AIツールの利用状況を調べました。


その結果、何らかの形でAIを使う学生の割合は2024年の66%からわずか1年で92%に急増したことがわかりました。また、試験や課題、レポートなど成績を評価される際に生成AIを使う学生も前年の53%から88%に増加していました。


生成AIの用途を尋ねる質問に対する回答(下図)は主に概念の説明、論文の要約、研究アイデアの提案など補助的なものでしたが、AIが生成した文章を直接自分の作品に使用すると答えた学生も18%(下図の赤枠の部分)とかなりの割合に上りました。


大学生の「ほぼ全員」が生成AIを使っているとの調査結果で教育界に激震が走る

HEPIの政策マネージャーであるジョシュ・フリーマン氏は、「学生の行動がこれほど急激に変化するのはほとんど聞いたことがありません。これは教育機関にとっての喫緊の教訓です。あらゆる評価方法は、AIで簡単に済ませられるものなのかどうかを再検討されなくてはなりません。そうするためには、生成AIの力と可能性について、教員に大胆な再教育を施す必要があるでしょう」と述べて、大学側は学生を評価する方法を根本的に変えることを迫られるとの見方を示しました。


今回の調査では、生成AIの利用に関する根強い「デジタル格差」も浮き彫りになっており、貧しい家庭の学生よりも富裕層の学生の方が、女子学生よりも男子学生の方が頻繁にAIを使用する傾向が高いことが示されました。


AIが生成したコンテンツによって「自分の科目でいい成績が取れる」と感じたのは人文科学系の学生ではわずか29%でしたが、科学・工学・医学関連の学位取得を目指す学生ではほぼ半数の45%がそう感じていると答えました。


調査に対し、学部生らはAIを勉学に使う最大の理由として「時間の節約(下図の一番上)」を挙げました。また、ほぼ同じ割合の学生が「作品の質の向上(下図の上から2段目)」のためにAIを使っていると答えたほか、「即座にサポートを受けるため(同3段目)」と答えた学生も相当数いました。


大学生の「ほぼ全員」が生成AIを使っているとの調査結果で教育界に激震が走る

大学もAIへの対応を進めており、「職員がAIの利用をサポートするのに十分な準備が整っている」と答えた学生の割合は1年で18%から42%へと倍増しました。その一方で、多くの学生は依然としてAIの使用に関するルールが明確ではないと訴えています。


ある学生は調査に対し、「まだすべてが非常に曖昧で、いつ、どういう理由でAIを使えるのかは不透明です」と話しました。また別の学生は、「大学側はこの問題を回避しています。AIは禁止はされていませんが、推奨もされていません。もし私たちがAIを使えば学術上の不正行為になりますが、講師は自分たちがAIを使用していると私たちに言ってきます。これは非常に矛盾したメッセージです」と話しました。


イギリスでは、ピーター・カイル科学技術大臣が2025年1月のインタビューで、「子どもたちが宿題をするためにChatGPTを使ってもいいのでしょうか?」という質問に「監督者がいれば、イエスです」と答えて物議を醸したばかりなだけに、イギリスの教育界が今回の調査結果から受けるインパクトは大きいと、同国の経済紙・Financial Timesは示唆しています。

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キリストとサド

石井洋二郎という人の「フランス的思考」の終章を先に読んで、「合理性とは理性を最高の原理とし、それに反するものを否定する思想上の立場」という辞書的定義が書かれているのを見て、「最高の原理とみなすものに反するものを否定する」生き方という点ではキリストとマルキ・ド・サドは双子ではないか、と思ったので、サドについてのウィキペディアの記述を載せておく。
キリストは「神という存在への絶対的帰依」のためにユダヤの民に処刑され、サドは「みずからの欲望を満たすことだけが唯一の『理』であった」と書かれているが、その理に従った一生は刑務所と精神病院が生涯の後半の住居のほとんどである。つまり、どちらも「自分の信条に徹底的に従った」生涯だったのである。言わば、どちらも合理性の極地であったわけだ。言い換えれば、ふたりとも精神世界の英雄だったと言える。(「悪霊」のスタヴローギンにはサドの面影がある。)
なお、論理性で言えば、(神の存在証明は不可能であり、おそらくインチキだから)私はむしろサドに軍配を上げる。だが、キリストにせよサドにせよ徹底した論理は危険なものだ。我々の思考は曖昧さと非論理性に満ちているからこそこの社会で生きていけるわけだ。



(以下引用)


マルキ・ド・サド(Marquis de Sade, 1740年6月2日 - 1814年12月2日)は、フランス革命期の貴族小説家。マルキはフランス語侯爵の意であり、正式な名は、ドナスイェン・アルフォーンス・フランソワ・ド・サド (Donatien Alphonse François de Sade [dɔnaˈsjɛ̃ alˈfɔ̃ːs fʀɑ̃ˈswa dəˈsad])。


サドの作品は暴力的なポルノグラフィーを含み、道徳的に、宗教的に、そして法律的に制約を受けず、哲学者の究極の自由(あるいは放逸)と、個人の肉体的快楽を最も高く追求することを原則としている。サドは虐待と放蕩の廉で、パリ刑務所精神病院に入れられた。バスティーユ牢獄に11年、コンシェルジュリーに1か月、ビセートル病院(刑務所でもあった)に3年、要塞に2年、サン・ラザール監獄英語版に1年、そしてシャラントン精神病院英語版に13年入れられた。サドの作品のほとんどは獄中で書かれたものであり、しばらくは正当に評価されることがなかったが、現在は高い評価を受けている。サディズムという言葉は、彼の名に由来する。

生涯

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生い立ちと教育

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父のサド伯爵、1750年ごろ。



母マリー=エレオノール。

マルキ・ド・サドは、パリのオテル・ド・コンデフランス語版かつてのコンデ公の邸宅、現在のパリ6区コンデ通りフランス語版ヴォージラール通りフランス語版付近)にて、サド伯爵ジャン・バティスト・フランソワ・ジョセフフランス語版と、マリー・エレオノール・ド・マイエ・ド・カルマン(コンデ公爵夫人の女官。宰相リシュリューの親族)の間に生まれた。彼は伯父のジャック・ド・サド修道士による教育を受けた。サドは後にイエズス会リセに学んだが、軍人を志して七年戦争に従軍し、騎兵連隊の大佐となって闘った。


1763年に戦争から帰還すると同時に、サドは金持ちの治安判事の娘に求婚する。しかし、彼女の父はサドの請願を拒絶した。その代わりとして、彼女の姉ルネ・ペラジー・コルディエ・ド・ローネー・ド・モントルイユとの結婚を取り決めた。結婚後、サドは息子2人と娘を1人もうけた[1]


1766年、サドはプロヴァンスのラコストの自分の城に、私用の劇場を建設した。サドの父は1767年1月に亡くなった。

牢獄と病院

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サド家は伯爵から侯爵となった。祖父ギャスパー・フランスワ・ド・サドは最初の侯爵であった[2]。時折、資料では「マルキ・ド・マザン」と表記される。


サドは「復活祭の日に、物乞いをしていた未亡人を騙し暴行(アルクイユ事件)」「マルセイユの娼館で乱交し、娼婦に危険な媚薬を飲ます」などの犯罪行為を犯し、マルセイユの娼館の件では「毒殺未遂と肛門性交の罪」で死刑判決が出ている。1778年にシャトー・ド・ヴァンセンヌ英語版に収監され、1784年にはバスティーユ牢獄にうつされた。


獄中にて精力的に長大な小説をいくつか執筆した。それらは、リベラル思想に裏打ちされた背徳的な思弁小説であり、エロティシズム、徹底した無神論キリスト教の権威を超越した思想を描いた小説でもある。だが、『ソドム百二十日あるいは淫蕩学校』をはじめ、淫猥にして残酷な描写が描かれた作品が多いため、19世紀には禁書扱いされており、ごく限られた人しか読むことはなかった。


サドは革命直前の1789年7月2日、バスティーユから「彼らはここで囚人を殺している!」と叫び、革命のきっかけの一つを作ったと言われる。間もなくシャラントン精神病院にうつされたが、1790年に解放された。当初共和政を支持したが、彼の財産への侵害が行われると次第に反共和政的になった。1793年12月5日から1年間は投獄されている。1801年、ナポレオン・ボナパルトは、匿名で出版されていた『ジュスティーヌあるいは美徳の不幸』と『ジュリエット物語あるいは悪徳の栄え』を書いた人物を投獄するよう命じた。サドは裁判無しに投獄され、1803年にシャラントン精神病院に入れられ、1814年に没するまでそこで暮らした。

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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
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