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平凡な日常生活が楽しいというドラマ

これは映画やドラマや小説の創作者には素晴らしいヒントだと思う。ドラマと言うと「ドラマチック」なものだけしか想像せず、凡庸な切った張ったのドラマ脚本ばかり書いている人は、一度挑戦してみるといい。まあ、小津安二郎の映画、あるいは向田邦子の脚本などが参考になるだろうか。
波乱万丈さは無いのに視聴者や読者をひきつけるとすれば、会話が機知に富んでいるか、平凡な生活の描写の中に深い人生思索があるかだろう。テレビドラマやアニメの作り手の中で、女性脚本家の何人かはその能力があると思う。ほとんどの男は派手なアクションと外連(けれん)にしか目が行かないのである。つまり、バイオレンスとセックスしか頭にない。


那須ブックセンター
@nasu_bookcenter
年配の女性から本を探してほしいとお問い合わせがありました 「内容はね普通の家庭に育った女の子が普通の大人になって主婦になってお婆さんになっていく、波乱万丈とか熱愛とか家族問題とか一切ないのよ」と言われるので、著者とか出版社は分りますかと聞いたら「そういう本は無いかしらね?」でした


(夢人追記)しかし、女性の一生を、「波乱万丈とか熱愛とか家族問題」などを一切無しで描くというのはかなり難しいとは思う。今考えても、小説では思いつかない。(まあ、女性主人公の小説はほとんど読んだことが無いのだが。)男の場合だと、一部の私小説にそういうのはありそうだ。女性だとやはり「熱愛が無い」ことがネックになるのではないか。だが、現実社会では、封建時代には女性だけでなく男性も「熱愛」などほとんど存在しなかっただろう。恋愛というのは男の場合は遊女相手にたまにあった程度だと思う。ほとんどは、周囲に決められた相手と結婚して平穏無事に一生を送り、「偕老同穴」が理想だったわけだ。
「熱愛」だけでなく、「波乱万丈」が無い、という条件も難しい。小説(物語)は「現実には存在しない夢を見させる」のが使命のようなものだからだ。ジェイン・オースティンの作品などが、この「年配の女性」の求めに近いような気がする。事件は事件でも「縁談話」という日常的な平和な事件だからだ。あるいは、吉屋信子の少女小説などはどうか。あるいは、既読だろうとは思うが「赤毛のアン」や「足長おじさん」などもその求めに近いのではないか。ただ、作品が大長編ではないので、その老年まではもちろん描かれてはいない。「女の一生」物だと、やはり波乱万丈性による感動を狙う作品が多いかと思う。



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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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