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上役の権限は、部下の私生活には及ばない

私もこの事件での女性教師に非常な同情を感じたのだが、東海アマ氏が実に明確に論じてくれたので自分の代弁者として載せておく。
仮に、この女性教師が私生活で同僚や父兄と相手かまわずにセックスしまくりだったとしても、この処分は無いはずだ。では、「セックスでカネを得たのが悪い」のだろうか。それなら、性風俗の店はすべて取り締まられて当然だろう。性風俗店でなくマクドナルドでバイトしたならどうなるのか。
まあ、教師として「生徒に悪影響を与える」というなら、当人に注意してその仕事(バイト)を辞めさせればいいだけの話で、本職の上で何か失敗をしたわけでもないのに、「免職」というのは「越権行為」だと私は思う。会社の上司が部下を休日に呼び出して自分の家の引っ越しの手伝いをさせるようなものだ。校長の仕事は「学校内」での権限であり、教師が学校の外でする事を(それが大きく法規に違反しないかぎり)あれこれ言う権限は無い。
人権団体や弁護士会はこの女性教員の「人権」のために立ち上がるべきだろう。むしろ、この校長や教育委員会や東京都を告訴して多額の慰謝料を払わせるべきである。


(以下引用)


 女性教師が風俗店でバイトすると懲戒免職

カテゴリ : 未分類

  風俗店勤務の28歳女性養護教諭が懲戒免職処分 現役教師から「厳しすぎる」と同情の声 11/20
https://news.yahoo.co.jp/articles/7fcccbc510b8d44a8ec77991f8a442cee5370e1f?page=1

  報道によると、女性養護教諭は公立中学校や多摩地域の小学校に勤務しながら、風俗店で今年4月まで約1年間働いていたことが匿名の情報提供で発覚した。都の聞き取りに対して、女性養護教諭は「実家を離れて都内で暮らすお金を貯めたかった」と話しているという。

 都内の小学校に勤務する30代の男性教諭は複雑な表情を浮かべる。

「副業がダメなのか、教育に携わる人間として風俗店で働いていたのがダメだったのか理由は分からないが、懲戒免職は厳しすぎると個人的に感じました。注意勧告、停職処分で良かったのではないかと。懲戒免職だと教員免許が失効する。性犯罪ではなく、経済的な事情があったのだろうし、犯した過ちはそこまで重いのかと…。次の仕事を探すのも大変でしょう。女性の今後の人生が心配です」
*******************************************************************
 一部引用以上

 麻薬や買春と異なり、社会的に認知されている風俗店でアルバイトをしただけで女性教師が懲戒免職処分を受けた。
 これは、記事にあるように、担当した教育委員の身勝手な道徳意識による裁量だが、半世紀以上も前の封建的な価値観で、昔と違って、臨時採用に近い不安定な低賃金労働者である女性教員を倫理的に束縛することが許されるはずがない。
 もしも、昔のように日教組が強ければ、たぶん処分はできなかっただろう。

 そもそも、性的な倫理問題は、いつでも行為者の双方に等分の責任が問われる問題であって、風俗産業で仕事をすることの問題は、風俗産業を利用する側の問題でもあるはずだ。
 つまり春を売る側だけでなく、買う側がいなければ成立しない問題である。
 もし、風俗店でバイトする女性教師を懲戒免職にするならば、風俗店を利用する、すべての教師も懲戒免職にしなければアンフェアである。

 以下のように、教育委員が性犯罪を行っているケースも珍しくない。
 
有名小学校トップを歴任したエロ校長が仰天の逮捕 児童買春、“もも”と名乗ってポルノ販売  2021/04/04
 https://dot.asahi.com/dot/2021040400001.html?page=1

 上の記事のように、実は社会全体では、「道徳倫理」などと称する虚構とは無縁の一般人に、性倫理問題が起きる事は極めて希であり、むしろ取り締まる側である、警察官や教員、教育委員などが、性倫理逸脱に強い興味や快感を抱き、盗撮や性犯罪を実行してしまうケースが実に多い。
 これは、人間性を権力の都合によってねじ曲げる社会がもたらした矛盾であろう。

 一般の会社員が、バイトで性風俗産業にいても、ほとんど何の問題も起きない。どうして教員だけが、バイトで懲戒免職処分を受けなければならないのか?
 公務員には兼業禁止規定があるが、以下の通りだ。
 https://studying.jp/komuin/about-more/fukugyo.html

 https://tihoukoumuin.com/kaisetu/hukugyou-seigen/

 これによれば、
第三十八条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
 ただし、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員及び第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員を除く。)については、この限りでない。

処分された女性教師が、正規の教職員として採用されていた場合は、地方公務員法38条に抵触する可能性もあるが、もしも非常勤ならば許される可能性が強い。
 それ以上に、竹中平蔵が導入した、正規職員の労働法上の地位が、脅かされ、非常勤や臨時採用に貶められている現状では、そうした雇用形態では、賃金も労働条件もまともに保障されておらず、やむにやまれずアルバイトをしなければ生きていけない教員は、全国に無数にいると考えられる。

 今回の東京都教育委員会の裁定は、そうした立場の弱い雇用形態の教職員の生存権を脅かすものである。
 連合は、経団連など経営側の支配する組織であり、労働者を守らないことで知られているので、立場の弱い教職労働者は、自由労組を結成して、封建的な圧政を強いる教育委員会に対抗するしかないだろう。

  <はたらく>不安定さ際立つ臨時教員 40~50代で「雇い止め」多数
 https://www.job.chunichi.co.jp/m/news/?nid=1964&ts=1339786017&PHPSESSID=1e94091d46e061cbb801a4190d077f86

 教育現場の不安定雇用「臨時的任用教員」とは  2019年6月12日
 http://jcp-saitama-pref.jp/mirai/2019/06/12/rinjitekininyoukyouin/

 使い捨てられる教師たち 「非正規教員」制度の構造的課題
  https://www.jiji.com/jc/v4?id=202012hksk0001

 今回の女性教師懲戒免職問題は、教育委員会が古い封建主義を持ち出して、立場の弱い教員に対して権力的な支配を宣言した悪質性の強い恫喝処分といえよう。
 もしも教員が、道徳や倫理的規制を持ち出される前に、手厚い待遇・身分保障・保護を受けていたならば、保護政策に応じた責任を問われても仕方ないが、薄給・高負担の教員待遇で、やむにやまれず風俗産業で働かざるをえなかったとすれば、我々は女性教員を支援する必要がある。

 女性教員は、非合法の産業で非合法職務を行っていたわけではない。社会的に認知された風俗産業で相応のアルバイトをしていたにすぎない。
 それが、なぜ密告されて懲戒免職処分を受けなければならないのか?
 強い憤りを感じる。風俗に従事すれば、子供の教育に悪影響を及ぼすなどとは誰が決めたのか? どのような根拠があるのか?
 
 そんなことを言い出したなら、この資本主義社会の空気を吸っている人間すべてが、道徳・倫理破綻者ではないのか?
 そもそも、他の非適切行動処分者と比較して、どれほど罪が大きいのか? 懲戒免職という最悪の処分が適切なのか? 教育委員会に、そんな処分を下す資格があるのか?
 徹底的に追求しなければならない。

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