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橋下徹の顔

適菜収の「小林秀雄の警告」という文庫本を図書館から借りてきて読んでいるのだが、面白い。
その中で、他の人から見ればどうでもいいと思われそうな言葉がなぜか印象に残ったので、それについて書いておく。
それは

「詐欺師は詐欺師のような顔をしているし、デマゴーグはデマゴーグのような顔をしているし、橋下徹は橋下徹のような顔をしている。」

という文章で、まあ、橋下徹へのただの悪口だと言われそうな部分だが、これは橋下徹の顔についての私の印象を見事に言語化したものと私には思えたわけだ。
ちなみに、その前の部分はこうである。

「世の中には上手に嘘をつく人間がいます。彼らは巧妙に言葉を操り、人々を騙します。でも、顔は簡単につくり変えることはできない。」

そう言えば、私が橋下徹を胡散臭い人間だと思ったのは、最初に彼の顔を見た時からだったと今にして了解したわけだ。彼がマスコミに登場して彼の顔写真がネットなどに出てきた時だろうか。私はテレビを見る習慣が無いので、彼の話す場面をテレビで見たことは一度も無く、彼が大阪維新の会を立ち上げた時からは彼に関する記事はネットに溢れてきたわけだが、その時点で既にそれが自民党の補完勢力だというのは明白だったので、彼の発言内容はすべて眉に唾をつけて聞いたのだが、大阪を日本の政治的中心にするというアホ極まる思想を中心とした政治集団など長く存在しないだろうと思っていた。だが、マスコミを利用したというか、マスコミと自民党と電通と結託したその力はどんどん伸長していったわけだ。
それはともかく、橋下徹の顔を最初に見た瞬間から私の感じた胡散臭さは何だったのか。それは、まさしく「橋下徹は橋下徹の顔をしている」としか言えないもので、それを無理に言語化したら「『生意気』を具現化した顔」かなあ、と先ほど思ったのだが、生意気というのは通常はさほど批判されるものではない。それは若者に多く見られる特徴だからだ。だが、あの年齢の人間の顔が「生意気」そのものである、というところに私は何か違和感を感じたのだと思う。
しかも、その生意気さが、普通の若者なら「権威への反抗」となるところを、「単なる自分の野心のためにあらゆる物(既成権力)を利用し、まともな権威を否定し、自分と意見の異なる他者を否定し、弱者を冷酷に切り捨てることにためらいがない」という種類の生意気さであるのがやがて私には感じられてきたのだが、それを言語化したのは今が最初である。
とにかく、問題は「顔」であったのだ。まさに彼の顔は彼の人格そのものを示している。

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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
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