お風呂の第二、第三の作用とは?
お風呂の効能には「温熱」、「静水圧」、「浮力」の作用があります
静水圧が及ぼす体への効果は?
「静水圧」とはいわゆる水圧のことで、足のむくみを解消する効果があります。お風呂のような浅い水でも水面下の体には水圧がかかっていて、肩まで湯に浸かった状態でメジャーを使って腹周りを測ると、空気中に比べて数センチも縮むほどです。立ち仕事などによる足のむくみにはお風呂が効果的ですが、これは水圧によって足にたまった血液が心臓に押し戻されるからです。むくみ解消には水圧効果の弱い「半身浴」ではなく、肩まで浸かる「全身浴」がいいことがわかっています。
静水圧でデトックス?
疲労回復には、静水圧、浮力作用も意識したい
適度に水圧で下半身が圧迫されると、血液が上半身に戻ってきた際に、利尿作用をもたらすホルモンの一種「心房性ナトリウム利尿ペプチド」が増えます。それによって尿量が増え、塩分や老廃物の排泄が促進されます。
よくお風呂で発汗してデトックス、という情報を見ることもありますが、汗腺による排泄作用よりも、実は腎臓によって作られる尿による老廃物排泄作用の方がはるかに大きいのです。
この点からも、十分に静水圧効果を得るためには半身浴ではなく、しっかりとお湯をはって全身浴をすることをお勧めします。ただし、心臓や肺に病気がある場合は、この静水圧が負担になることがあるので、半身浴がお勧めです。
お風呂で重力からの解放を楽しもう!
お風呂は地球上で唯一重力から解放される場所、と言ってもいいかもしれません。この記事を読んでいる瞬間も、あなたは重力に抗して、座るなり立つなりの姿勢を保っているはずです。その間、無意識であっても重力に負けないように筋肉を緊張させているのです。この重力から解放してくれるのが、「浮力」です。水に浸かった物には浮き上がろうとする力、浮力がかかります。鉄の船が海で浮かぶように、人間がお風呂に入っていても同じ話で、体は浮力によって浮き上がる力がかかっています。
肩まで水に浸かっている場合、浮力によって体重が10分の1になって大変軽くなります。つまり体重が60kgの人はたった6kgになる計算になります。お風呂に浸かるとふわふわして体が軽くなり、余計な筋肉の緊張が必要なくなるためリラックスできます。お風呂でのリラックス感は温熱作用だけではなく、この浮力作用によるものも大きいでしょう。