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音声認識力と読書能力は相関するか?

「大摩邇」から転載。
岡氏による記事前文と引用記事の内容に矛盾がある気もするが、まあ、岡氏の主旨としては「新型コロナ(あるいはそのワクチン)」による聴覚機能障害の話だから、「学校に行かなくても読書に問題はなかった」という岡氏の話は特例(というより、引用記事は音声認識力重視のアメリカ式教育の話なので、岡氏とは無関係)としていいのだろう。
私自身、軽い聴覚障碍者で、おそらくこれは子供のころからそうだったのだろうと今は思っている。つまり、音は聴こえるが、「音の解像度」が低い人間なので、聴覚障害だという自己認識に至らなかったのだと思う。(自学自習では、学習にまったくこれは関係ない。)ちなみに、今でも周囲の人間の会話の半分くらいは聞き取れない。他人(一般人)の音声認識力に感嘆するばかりだ。感覚の健常性というのは、一般人が意識しない生来の貴重な財産だろう。

(以下引用)

「現在のアメリカの子どもたちの3分の2は字が読めない」という米国報道

BrainDead Worldさんのサイトより
https://nofia.net/?p=16480
<転載開始>

昨年の時点でアメリカの子どもたちの学力の落ち込み方は、過去最大でした。「2020年から急激に落ちた」ということで、理由はとてもよくわかります。


(参考記事)アメリカの9歳の児童の学力スコアが過去30年で最大の下落
BDW 2022年10月16日


アメリカの9歳の「数学」の平均スコアの推移


ご紹介する記事では、教育法の問題を指摘していますが、読解力なんて、誰に教わらずとも、ある程度は身につきます。幼稚園のほぼ全部と、小学校低学年の大半を病気で休んでいた私も(自宅学習など一度もしたこともなく)、誰にも教わらずとも、本を楽しんでいました。


2020年からの極端な落ち方の意味を考えるべきです。



アメリカの子どもの3分の2は字が読めない。これが理由かもしれない

newsnationnow.com 2023/12/05


Two-thirds of American kids can’t read. This may be why


全国の教師は、生徒たちが字を読めないことに気づいており、その原因は読み方の教え方にあるのかもしれない。


全国教育進歩評価 (NAEP) の結果によると、米国の 4年生の 3分の 2は熟達した読解レベルに達していない。


カリフォルニア州オークランドの NAACP の活動家で読み書き能力を公民権問題として位置づけているカリーム・ウィーバー氏は、「子どもたちは字が読めないのです」と語る。


一部の低学年教育者たちは、読書教育の現状に対する不満や困惑を表明し始めている。


新型コロナウイルス感染症のパンデミックが学習喪失の原因であると非難する人たちもいるが、問題はさらに遡るようであると指摘する人もいる。


読書をどのように教えるかについての長年にわたる議論は、主にフォニックス対全体言語という枠組みで行われてきた。フォニックスでは、単語を小さな部分に分割し、生徒に文字を発音させることで、生徒に読み方を教える。


これは、生徒が単語を解読するのではなく単語全体を認識するように教えられる言語全体のトップダウン・アプローチと比較して、ボトムアップ・アプローチだ。


リアル・クリア・エデュケーションによると、数十年にわたる研究の結果、子どもたちに読みを教える最も効果的な方法には、フォニックス、音韻認識 (音と文字や話し言葉の関連付け)、流暢さ、語彙、理解力が組み込まれていることが明らかになった。これら 5 つの要素が合わさって「読書の科学」と呼ばれる教育哲学を構成する。


これらのツールを併用すれば、全生徒の 90%以上が上手に読めるようになるという圧倒的な証拠にもかかわらず、読書の成果は依然として暗いままだ。


現在、低学年の教師の 72%が「何年も前に認知科学者によって誤りであることが暴かれた読み書き指導方法を使用していることを認めている」とリアル・クリア・エデュケーションは報じた。


米アイオワ州で、原因不明の「体調不良」が蔓延しているために学校閉鎖


 


どんな病気かの説明は一切なく、「大量の学生と教師の体調不良のため」とあります。



ジェーンズビル学区、生徒と教職員の体調不良のため12日と13日にオンライン授業に変更

kwwl.com 2023/12/12


Janesville School District holding virtual classes Wednesday & Thursday due to students and staff out sick



アイオワ州ジェーンズビル学区は、生徒 127名と教職員 13名が現在体調不良のため、12日と13日に事実上、学校を閉鎖し、授業をオンラインに変更する。


12日のフェイスブックへの投稿では、現時点で対面授業は「持続可能ではない」ため、授業をオンラインに移行する決定を下したと述べた。


6年生から 12年生の生徒は、対面授業が再開される 15日までに課題を完了する必要がある。


学区は 12日の午後 5時に閉校し、15日の午前8時15分に再開する。その間、教室の清掃と消毒が行われる。



カナダ・アルバータ州の医療待ち時間が過去最悪の「33週間」に達し、医療災害計画を発動


 


何の病気の増加でこのようなことになっているのかはふれられていませんが、ともかく、病気だらけとなっているようです。「33時間」かと思っていましたら、「33週間」はすごいですね。病院として機能していない。


2021年までのデータですが、「原因不明の死亡事例」が以下のように推移していましたので、何となく現状も理解できなくはないです。


アルバータ州の原因不明の死亡事例数の推移

BDW



「25年間で見たことがないほどひどい状況」:アルバータ州病院の待ち時間増加に州医師会長が警鐘を鳴らす

aljazeera.com 2023/12/11


‘As bad as we’ve seen it in 25 years’: AMA president sounds alarm as Alberta hospital wait times rise



アルバータ州医師会会長によると、緊急待合室の人口が州全体で急増しており、エドモントンでは病院の定員を大幅に超えているという。


医師会会長のポール・パークス博士は 12月11日に以下のように語った。


これまでの 25年間で見たことのないほどひどい状況です。それが現在の状況です」


「緊急医療への行き場所がない人ちがこれほど多くの人がいたことは初めてです。私たちは文字通り、災害計画を発動しており、患者を次に利用可能なベッドに誘導しようとしています」


パークス氏は、エドモントン地域では 202人の重症患者が入院しており、行くべき病院のベッドがないと述べた。


パークス氏によると、当面の負荷分散オプションとしては、ICU患者を北ゾーンからカルガリーまたは南ゾーンに移動することが挙げられるという。次に、入院し、継続治療または長期治療を受ける準備ができているが、そこにベッドが必要な患者のために、「代替治療レベルで最初に利用可能なベッド」が用意されている。


パークス氏によると、空室で空きがあるとリストに掲載されていたベッドがあったにもかかわらず、スタッフを配置できなかったケースもあったという。


「労働力、そして人員を配置する人材がなければ、医療施設は私たちにとって何の役にも立ちません」と彼は言う。「病院によっては、収容能力が 130~ 150% あるところも出てきています。つまり、100人の患者までしか対応できないスタッフがいる場所に、150人の患者がいることになります。彼らはこれ以上耐えられません」


このニュースは、カナダ人が現在約 28週間という国家史上最長の医療待ち時間に直面していることを示すフレーザー研究所の新たな調査を受けて発表された。


フレーザー研究所は、カナダの超党派の公共政策シンクタンクで、患者が直面する総待ち時間を調査した年次調査の結果を発表した。この研究によると、カナダの患者の待ち時間中央値は 27.7週間に上昇し、これまでの最長記録となった。アルバータ州の待機期間は 33.5週間だった。



<転載終了> 

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「学校」と「教育」

現在の学校の授業そのものがムダだと私は思う。
予習していない生徒は、授業を聞いても理解できないのが大半だろうし、予習してきた生徒は、授業時間の大半は「既に理解したこと」を教師が話しているので退屈である。
まあ、勉強の基本は自学自習だ、というのが私の考えだ。
一番いいのは「子供同士が教え合う」教育だろう。つまり、それによって、生徒同士の親睦が深まり、また、互いの競争意識から、学ぶことへのモチベーションが出て来る。(教える方も、自分が教えることで、自分の知識や理解の不十分さを知り、より高度な理解に進むことになる。)

問題は、学ぶことと「勉強(勉め、強いる)」は違うということ、そして「勉強」へのモチベーションである。
階級社会では、いくら勉強しても、それが社会のニーズに合わない限り、階級的上昇は見込めない。だから、今の日本のようにユーチューブなどで自己宣伝をして集客効果があると社会に認めさせれば、カネを出す企業が出て来る。現在のように「口先人間」が跋扈している社会は歴史的に稀ではないか。
つまり、これまでの学校教育は学歴(就職への関門となる。)獲得目的以外ではすべて無駄ということになる。実際、高校の授業内容は大学合格以外の意味ではすべて無意味な内容だ。つまり、大学に行く気の無い生徒には高校の「授業」や勉強は地獄である。だから、その反動で、大学に入ると遊び呆ける。もちろん、大学入試に縁の無い底辺高校はヤンキーやDQNの巣窟になる。

学校とは「同年代の人間が集まる」遊び場で、そこでいろいろな「疑似社会体験ができる」というのが一番の機能だろう。つまり、「勉強以外の体験」をたくさんさせるのがいい学校である。そういう意味ではある種の「最底辺高校」も、いい「社会勉強」の場にはなるかもしれないwww もちろん、それは現実社会の雛型であるが、その「社会」とは、卑屈・卑劣な徒党の巣窟であり、暴力と威嚇と、詐欺的行為と不法行為の横行する社会だ。

ただし、「勉強」ではなく、「教養」は、その人の人生そのものを豊かにする最高の資源である。culture(文化)という言葉の元になっているcultivateとは「耕す」意味で、自分の心や精神を耕すことが教養を身に付けることだ。つまり、それを通じて精神的に豊かな人間になるわけだ。
したがって、ひろゆきの言うような、「古文漢文はムダ」論は、愚論である。(古文や漢文は日本や中国の過去の文化の精髄である。)学校でその片鱗に触れることで、より高度で深い教養への入り口になる。それを「勉強」という辛い行為にするのが悪い「教育」である。

ちなみに、先ほど読んで、まだ読みかけの「in deep」の岡氏の文章の一節である。岡氏の頭脳は(その思想には反発する部分もあるが)私の尊敬するところだ。本を「楽しんでいた」。これこそが教養である。漫画もアニメも哲学も、誰もが忘れた古い歌も娯楽であり教養だ。

幼稚園のほぼ全部と、小学校低学年の大半を病気で休んでいた私も(自宅学習など一度もしたこともなく)、誰にも教わらずとも、本を楽しんでいました。



【ひろゆき】西村博之 学校の宿題はムダだと主張「学習効果の低い行為」


転載元: https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1702446731/


hiro

1: Ailuropoda melanoleuca ★ 2023/12/13(水) 14:52:11.09 ID:dI055hdY9
2023年12月13日 14:46

 2ちゃんねるの元管理人で実業家のひろゆき氏(47)が13日、「X」(旧ツイッター)を更新。学校の宿題がムダであると主張した。

 ひろゆき氏は「宿題は、理解出来てる子には無駄な作業。わからない子は宿題も出来ないままという学習効果の低い行為です」と持論を展開。

 さらに「教育方法も状況に合わせて変えていくべきで、宿題や漢字の書き取りや古文・漢文などの昭和のやり方を続けることが正解だと大人が信じ込むのは良く無いと思います」と、昔ながらの詰め込み教育を続けていることを疑問視している。

 また「古文、漢文がなくなると昔の文書を読めなくなる」という投稿に対しては「義務教育では微分・積分をやりません。でも、日本人で微分、積分出来る人が居なくなる事態にはなってません。古文漢文は大学の専門課程で、やりたい人がやれば十分かと」と古文、漢文も微分・積分のような高等教育で学ぶべきと主張している。

東スポWEB
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/285777


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官邸の「文化人工作費」www(帳簿に載らない税金の私的使用という犯罪)

「asagei」記事で、おそらく昔の「アサヒ芸能」の後身、あるいはネットマガジンだろう。
まあ、たぶんそうだろうと推定されていたことが事実だったわけだが、テレビや新聞の「識者」の意見を鵜呑みにする大衆は多いし、中でもリベラルを装った言論家の「言論害」は大きい。
一見、政府批判に見えながら、実は現体制擁護の言説である。つまり「野党がだらしないからこうなる。まともな野党よ出てこい」のような発言をされると、それに心酔する連中が、自民別動隊の維新などの偽野党に投票したりするわけだ。そして、政治に宗教が口を出すという、危険団体である創価学会や統一教会の問題については「識者」は口をつぐむか、誤魔化してきた。

(以下引用)

【スクープ証言】総理秘書官が手渡しで「年間1200万円」官房機密費からバラまかれる「文化人工作費」を受け取った人々



 このところ内閣官房報償費、いわゆる「官房機密費」が国民の注目を浴びている。


 キッカケは、石川県の馳浩知事が11月17日に東京都内で開かれた講演会で、2013年の東京夏季五輪招致活動をめぐり、当時の安倍晋三総理から「馳、カネはいくらでも出す。官房機密費もあるから」と告げられたことを自慢げに暴露した一件だった。


 当時、馳氏は自民党の五輪招致推進本部長を務めており、IOC(国際オリンピック委員会)の委員約100人に対する贈答品として、1冊20万円の記念アルバムを官房機密費で製作した事実まで得意げに披露して、国民の怒りと不信を買う事態に発展した。

 さらに、麻生太郎政権(2008年9月~2009年9月)で官房長官を務めた河村建夫元衆院議員も最近、複数のメディアの取材に応じる形で、官房機密費の生々しい使途の一端を明らかにしている。河村氏は、官房機密費は毎月1億円ほど支出され、麻生総理や自分(官房長官)が選挙応援に出向く際の費用として使われたこと、あるいは自民党の国会対策委員会に野党対策のための費用として手渡していたことなどを暴露した。


 しかし、これらは氷山の一角にすぎない。例えば某自民党政権時代、官邸の要職に就いていたある人物がかつて、官房機密費から拠出される「文化人工作費」の驚くべき実態を、本サイトの記者に明かしたことがある。今回はその人物をX氏として、ハイライト部分を紹介してみたい。X氏は次のように切り出した。


「文化人工作費は官邸(政府)の役に立ちそうな文化人を対象に、広くバラまかれていました。具体的には、主に政務担当あるいは事務担当の総理秘書官が、文化人の事務所や自宅などに出向いて、現金で手渡していた。文化人には官邸への貢献期待度に応じてA、B、Cなどのランクがつけられ、最も高いAランクの文化人に対しては毎年、盆と暮れに600万円ずつ、年間1200万円の工作費が極秘裡に支払われていたのです」


 では官邸機密費による文化人工作費を受け取っていた文化人は、具体的にどこの誰だったのか。X氏は次のように続けた。


「典型例を挙げれば、著名な政治評論家や政治ジャーナリスト、あるいは民放キー局の報道系番組などを牛耳る、世論への影響力が大きい司会者といったところでしょうか。文化人工作費を初めて受け取った某評論家などは、嬉しさを全開させて『領収書を書こうか』と言い出しましたが、文化人工作費は機密費から拠出されていること、したがって証拠を残してはならないことなどを説明して、クギを刺しました」


 そしてX氏は、文化人工作費は国税庁による課税も免除される、完全なヤミ金として処理されてきたとも指摘するのだ。官房機密費の闇は限りなく深い。


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新コロ詐欺とPCR検査は車の両輪

藤原直哉のツィートである。

(以下引用)

東京都の感染者激減、保健所職員が内情を告発!「PCR検査が激減した」「検査縮小で感染者数が減ったのです」

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ガザ虐殺問題についての内田樹の「答え」

「内田樹の研究室」記事の末尾で、長々グダグダとイスラエル問題について知識(蘊蓄)の限りを語った挙句が、「人類が道徳的に向上しないとイスラエル問題(ユダヤ問題)は解決できない」という、道徳論に逃げている。
馬鹿か。今すぐにも生きるか死ぬかの問題に直面しているガザの人々の前で、その台詞を言ってみろ。子供たちに、「お前たちは今すぐ死ぬのが運命だ」と言ってみろ。
しかし、何で内田樹の言い方はこんなに偉そうなんだろう。「それ以外の解決法はありません」だと? お前は人類の教師か。


(以下引用)


―― 最終的に国際問題を解決するためには、「負の国民感情」を鎮めなければならない。
内田 そうです。そのためには死者を鎮魂し、生き残ったけれど深く傷ついた人々を慰藉しなければならない。供養というのは、死者たちについては、彼らがどう生き、どう死んだのか、それをできるだけ精密に語り継ぐことです。それは「負の感情」に点火するための営みではありません。怒りと憎しみを鎮めるための営みです。そこから死者たちについての新しい「物語」が生まれてくれば、死者たちはもう「祟る」ことはなくなります。
 その点で注目に値するのが、韓国の取り組みです。韓国ではこの10年、李氏朝鮮末期から日本の植民地支配時代、軍事独裁時代を題材にしたドラマや映画を次々に発表してきました。自国のトラウマ的経験、歴史の暗部をあえてエンターテイメント化してきた。私はこれは国民的規模での「鎮魂」の儀礼だと思っています。
 日本でも朝鮮人虐殺を題材にした映画『福田村事件』が異例のヒット作になりました。これは森達也監督がこの「歴史の暗部」をあえてエンターテインメントとして再構成したことの成果だと思います。
 物語がエンターテインメントとして成立するためには、登場人物たちに「深み」がなくてはなりません。薄っぺらで記号的な「善人」や「悪人」がぞろぞろ出てきても、感動は得られないからです。シンプルな「勧善懲悪物語」には人を感動させる力はありません。私たちが映画やドラマを見て感動するのは、すべての人は、それぞれ固有の事情を抱えながら、運命にひきずられるようにして、ある時、ある場所で、思いがけずある役割を演じることになるという人間の宿命の抗いがたさの前に立ち尽くすからです。『福田村事件』はそういう映画でした。私たちは死者たちについて物語ることを通じて「供養する」。それは死者たちに「善人」「悪人」というラベルを貼って、それで済ませるのではなく、一言では片づけられない人間の「深み」を物語るということです。
 現在、日韓関係は改善に向かっていますが、その背後にはこういう文化的な努力の積み重ねがあるからだと思います。どれだけ長い時間がかかったとしても、私たちは死者の鎮魂と生者の慰藉を通じて負の国民感情を鎮静させ、民族間の憎しみの連鎖という「呪い」を解かなければなりません。
―― 「この世には命や平和より大切なものがある」という考え方があります。そういう超越的な価値に基づいて戦っている当事者に「命や平和を守りましょう」と呼びかけても説得できないではありませんか。
内田 十字軍やジハードや祖国防衛戦争など、いつの時代も現世の幸福を否定しても「聖戦」に身を投じるという人はいます。でも、来世の幸福を渇望するのは、現世が不幸だからです。テロリズムは今ここでの物質的・精神的な「飢餓」が生み出すものです。ですから、まずあらゆる人々の衣食住の欲求が満たされる必要がある。でも、それだけでは十分ではありません。自尊心や集団への帰属感が得られなけれれば「飢餓」は満たされない。
 ヨーロッパでは移民の衣食住はなんとか制度的に整えられていますが、それでも移民によるテロ事件が後を絶ちません。それは彼らが日常的に劣等感や屈辱感を味わっているからです。テロリストになることで自尊感情と集団への帰属感を回復しようとするのは、今いる社会ではそれが得られないからです。
 ですから、「テロリズムと戦う」というのは、「テロリストを根絶する」ということではなく、テロリズムを生み出す怒りと憎しみと屈辱感を誰にも与えない社会を創り出すということです。遠い目標ですけれども、テロリズムを根絶する方法はそれしかありません。
―― パレスチナ問題は「二国家共存」という政治的解決が示されていますが、真の解決はどうしたらできるか。
内田 パレスチナ問題の根源にあるのはヨーロッパの反ユダヤ主義です。近代反ユダヤ主義はエドゥアール・ドリュモンの『ユダヤ的フランス』(1886年)から始まります。ドリュモンはフランスの政治も経済もメディアも学問もすべてユダヤ人に支配されているという「陰謀論」を展開して、爆発的なブームを巻き起こしました。ドレフュス事件はその渦中で起きました。
 ユダヤ人ジャーナリストのテオドール・ヘルツルは『ユダヤ人国家』(1896年)を執筆して、近代シオニズム運動の主導者になりますが、彼が「ユダヤ人の国」が建設されなければならないと決意したのは、取材に訪れたパリで、ドレフュス大尉の官位剥奪式に詰めかけた群衆たちの反ユダヤ感情の激しさに触れたことによります。「ユダヤ人はヨーロッパから出て行け」というフランスの反ユダヤ主義者たちの主張を重く受け止めたヘルツルは「ユダヤ人の国」の建設というアイディアを得ますが、このアイディアを最初に言い出したのは「反ユダヤ主義の父」ドリュモンです。「ユダヤ人はヨーロッパから出て、自分たちだけの国を建国すればいい。そうすれば、そこでは誇りをもって生きられるだろう」と彼はユダヤ人に向けて「忠告」したのです。
 ヘルツルが「ユダヤ人の国」の建設予定地として検討した中には、ウガンダ、アルゼンチン、シベリアなどがありました。つまり、「どこでもよかった」のです。でも、やがて近代シオニズムはそれ以前から宗教的故地への入植活動として細々と営まれてきた宗教的シオニズムと合流するかたちで「シオンの地」であるパレスチナに「ユダヤ人の国」を建国することを目標として掲げることになります。
 今、イスラエルはパレスチナとの共存を拒んでいますが、イスラエルという近代国家ができたのは、そもそもヨーロッパがユダヤ人との共存を拒んだことが遠因です問題の根源は「他者と共生すること」ができない人間の非寛容さです。それが近代反ユダヤ主義を生み、パレスチナ問題を生み、現在のガザでの虐殺を生み、さらには新たな反ユダヤ主義さえ生みだそうとしている。
 答えは簡単と言えば簡単なのです。反ユダヤ主義とパレスチナ問題は同根の問題だからです。これを生み出したのはどちらも「他者との共生を拒む心」です。そのような弱い心情に人が屈する限り、同じ種類の問題は無限に再生産されます。「理解も共感も絶した他者とも共生し得るような人間になること」、それ以外の解決法はありません。(11月4日 聞き手・構成 杉原悠人)

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庶民の日常生活から見る欧州の経済状況

ひろゆきとの論争で一時期少し有名になったF爺のブログ記事だが、有名人が「通過した」だけの旅行記より、このような、異邦人が異国に生活する日常の記録のほうが面白い。
まあ、私などは寒さの厳しい欧州に住むこと自体、何かの修行以外では考えられない。
ところで、今は1ユーロは日本円でいくらくらいなのだろうか。少し前に3ユーロだったものが5ユーロということは、物価が二倍近く上がっているということだ。欧州の経済状況の厳しさが、こうした記事から分かる。もちろん、西側の奴隷(下僕)国日本も似たようなものだ。つまり、「西側諸国は経済的に崩壊しつつある」のだろう。

(以下引用)

アルザスの日常2023年12月10日

寒さが緩んだ

朝の気温が-5℃、-6℃・・・という日が続いた後、寒さが緩みました。今朝は、最低気温が+6℃です。でも「温かくなった」とは感じません。湿気が多いと、体感はとしては、むしろ「前よりも寒い」のです。

木曜日は、終日濃霧。じめじめして気持の悪い一日でした。そして夜中に雨。
金曜日は、雨のち曇り。
土曜日は、朝焼け空の後、晴れたり曇ったり。昼過ぎからは、またまた大雨+大風。

今朝は、起き抜けに洗濯を済ませ、その後、直ぐに露天市場で買い物をして来ました。

露天市場

玉葱の5kg入りの袋を買う時期です。先日3ユーロで売っていたA店に行ってみたら「5ユーロ」と表示が変わっていました。
《冗談じゃない。誰がそんな値段で買うか》

隣のB店は、同じものを4,5ユーロで売っていました。

もう一軒先のアフガニスタン人のC店では、全く同じものが3,5ユーロ。ここで買うことに決めます。
《お隣さんが何をどんな値段で売っているか、A店やB店の連中は、見ていないのかなあ》

C店で、他の果物と野菜も買いました。柿が1kg当たり1,40ユーロと安くなっていました。赤ピーマンも少し買います。あ、ブロッコリーも美味しそうだ。

買い物袋二つが一杯になりました。支払いは、合計10,34ユーロ。20ユーロ札を出したら、10ユーロちょうどに負けてくれました。

10kgを越える大荷物を持って帰宅しました。

換気

帰宅して最初にすることは、ドアも窓も開け放して換気。洗濯したものを乾かすにはスチームの上に載せるしか方法の無い季節なのです。屋内に籠った湿気を追い出さなくてはなりません。

法蓮草の水洗いなどを済ませているうちに換気も完了。元通りに締め切ります。2分も経てば元の暖かさに戻ります。

略式の朝食も済ませてから、消化のために一呼吸置いて・・・それからジョギングに出掛けました。

ジョギング

いつもとは異なる時間帯なので、擦れ違う人の顔触れも変わります。

落葉樹は、みんな枯れ木です。緑を保っている木蔦(きづた)と宿木(やどりぎ)が目に付きます。雪は全部融けていますが、すっかり冬景色です。灰色の世界です。足元の雑草や苔類の緑色が救いです。

最新情報

メディアの流す最新情報は、ウクライナ戦争・・・イスラエルによるガザ地区の非戦闘員の居住地と病院の爆撃・破壊・・・米国で11ヶ月後に迫った大統領選を控えてハナフダ元酋長の不穏な動き・・・フランスを含むヨーロッパ諸国での極右政党の台頭・・・米国でもオランダなどでも麻薬禍・・・
と、悲しいニュースばかりです。

努めてこの夏の一時帰国の楽しい思い出を喚び起こし、近々に会う友人たちのことを想い・・・今の生活の幸せな面を見るようにしています。

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絶望と希望

「副島隆彦の学問道場」記事の一部で、全部に同意・同感するわけではないが、7割くらいは同感である。
ただし、

日本もまた、世界の一部として、次の大きな戦争(ラージ・ウォー、第三次世界大戦)に連れてゆかれる。またたくさんの人が死ぬ。

という部分には、あまり同感しない。というのは、第三次世界大戦より先に欧米社会の崩壊とドル支配体制の崩壊が起こる可能性があると思っているからだ。イスラエルのガザ虐殺は、イタチの最後っ屁だろう。火事場泥棒的行為である。あるいは「最後の賭け」か。
つまり、DS(基盤は欧米にある)自体が中露中心の非欧米連合の勃興によって、自分たちの崩壊を予感しているのではないか。
まあ、私の願望的妄想だが、毎度言うように「絶望の虚妄なること希望に相同じい」である。世界には青空も花畑も肥溜めもある。何も、肥溜めだけ見つめることはない。もちろん、足元に注意して歩かないと肥溜めに落ちる。

(以下引用)


日本は戦争に連れてゆかれる 狂人日記2020(祥伝社新書 副島先生の本 2020年8月10日発売)の84ページから引用。
人類(人間)は目下(もっか)、第三次世界大戦への道を着々と歩みつつある。この戦争は迫りくる核戦争であり、生物化学戦争であり、サイバー戦争である。コンピュータ・ウイルスで相手(敵国のレーダー)を無力化して 軍事施設を爆撃するということもする。2007年9月にシリアを空爆したイスラエル軍が、このサイバー攻撃でシリアのレーダー(ロシア製)に捕捉されず、攻撃に成功した。
日本もまた、世界の一部として、次の大きな戦争(ラージ・ウォー、第三次世界大戦)に連れてゆかれる。またたくさんの人が死ぬ。


そして29ページから引用。
日米交渉の真実。
今から80年前、日本人は保守層だけでなく、リベラルや左翼だった人たちも含めて皆、対英米戦争にのめり込んだ。日本国民も同様にのめり込んだ。日本の中学校、高校の社会科の教科書には「ABCD包囲網」すなわちAアメリカ Bブリテン(イギリス) Cチャイナ Dダッチ(オランダ)の4つにほういされ経済封鎖(禁輸)されたので、仕方なく日本は戦争に打って出た、という書き方をしている。
(略)28pから。
ところが、真珠湾攻撃が起きるその日まで、日本国民はアメリカ合衆国と交戦するなどと思ってもいなかった。政府の要人たちと軍のトップたち以外は、アメリカ合衆国との開戦への動きを知らなかった。何も知らされなかった。この大事な事を日本史学者(昭和史専門家)たちが書かない。1941年(昭和16年)の4月から、「日米交渉」が始まっていた(その準備段階を含めれば2月から)。
アメリカ政府はコーデル ハル国務長官が「日本は中国から手を引け。政府機関も居留民も、全て引き上げさせよ」と初めから要求していた。交渉官(全権公使)の野村吉三郎は海軍大将であって、もともと外交官ではない。助っ人で送られた来栖三郎(くるす さぶろう)は外交官だが、日独伊の軍事同盟(三国同盟)を推進した男だ。アメリカに好かれるはずがない。
この二人の日本の高官は、アメリカ側と真剣な厳しい交渉などしていない。どうもおかしな外交交渉だったのだ。アメリカは初めから日本に戦争を仕掛けさせようと計画していた。このようにしか、今となっては考えようがない。日本はまんまと騙され(嵌めら)れたのだ。
交渉の山場では二人はフランクリン・ローズベルト大統領とも会って話した。真剣で切実な交渉に見せながら、どう考えても和気あいあいと話をしている。そして12月には交渉決裂となった。「ハルノート」が11月26日に出されて、日本側はそれを「最後通牒」だ、と受け取った。日本は開戦を決定し、12月8日の真珠湾攻撃となる。その前から日本の連合艦隊は動き出していた。択捉島(北方四島の一つ)の単冠湾から11月26日に艦隊は出動、出港して真珠湾攻撃に向かった。6艘の空母が戦闘機と必要人員を満載していた。
アメリカ側は「突然、日本に攻撃された」と言う。だが本当は全部、計画的に仕組まれていたのだ。日本が上手に操られ、先に手を出したように事前に設(しつら)えられていた。のちに『真珠湾の真実―ルーズベルト欺瞞の日々』(文芸春秋、2010年刊 ロバート・B・スティネット著。)で明らかにされた。真珠湾攻撃はアメリカによって上手に、用意周到に実行されたのだ。戦争が始まるときには、日本をまず中国との泥沼の戦争に引きずりこんでおいて、そのあと日米開戦を仕組んだ。当然シンガポールや香港など大英帝国(イギリス)が東アジアに持つ拠点への攻撃も予想されていた。日本国民はアメリカと開戦するなんて思いもよらず、知りもしなかった。


昭和天皇が出席する御前会議が開かれた。昭和16年(1941年)には真珠湾攻撃決定までに4回も御前会議があった。開戦を準備する動きは着々と進んでいた。この時点で、全てアメリカとイギリスに仕組まれていた。日本は昭和天皇以下、国家指導者たちが騙され、策に陥ちていたのだ。この世界史の真実を歴史学者を含めて日本の知識人たちは今もあまり自覚がない。それで一番ひどい目にあって苦労するのは一般国民である。


29pから日米交渉(1941年11月17日)の写真(共同通信イメージズ) 向かって右から来栖三郎、コーデル ハル、野村吉三郎。1941年4月から12月まで8か月も長丁場が続いた日米交渉は、連日日本で報道された。のらりくらりとした交渉だった。どうせ日本がアメリカの言うことを聞くとは思っていない。初めから仕組まれていた。
以上 引用終了。


要するに初めから猿芝居だったのだ。

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